後継者が感じている不安

昨今、中小企業の後継者不足が深刻な問題になっていますよね。

引き継いでくれる子供がいなかったり、後を任せられる人材が社内にいなかったり。

そのため、やむなく廃業を選択されるかたもいらっしゃいます。

もうひとつの選択肢としては、
「第三者を選択肢にいれよう」ということで、
以前は大企業のみでおこなわれていたM&Aが、
小さな会社でも行われるようになってきました。

スモールM&A、なんていわれかたもしますね。

ここで忘れてはならないのは、
後継者がいる経営者も、当然に悩みをかかえているということです。

いざ承継が終わったあとでも、
心配でなかなか子離れできない親のような気持ちのかたも多いでしょう。

いずれにせよここまでは、
いまの経営者の悩みに焦点をあてた話になります。

ですが、今回強調したいのは、
後継者候補の人も、
承継前から様々な不安を抱えている

ということです。

かくいう私も、
2代目候補です。

なので、
後継者のお気持ちが痛いほどよくわかります。

「お前は楽でいいよなぁ、継ぐだけだから」

なんて心無いセリフをよく言われては凹んでいました・・笑

後継者候補のかたが抱えている不安

  • 自分の代になって経営が傾いたらどうしよう
  • ベテラン社員とうまくやっていけるだろうか
  • お客さんが離れたりしないといいけど
  • 取引先から信頼してもらえるかな
  • 先代が親だからこそ経営についてうまく話せていない
  • 今まで現場仕事しかしていないので、正直、経営についてはよくわからない
  • 自分が作った会社じゃないからまだ情熱とかそういうのがわからない
  • 承継前から傾いてて、なにか改革案を考えないと・・・
  • まだ覚悟ができていない
  • ・・・etc

これはほんの一例だと思います。

感情なので、うまく言葉にできない、
もっと繊細でモヤモヤした苦しみがあると思います。

ゼロから自分で起業を決心するのとはまた違った不安ですよね。

先代がいたからこその難しさというのがあります。

また、中小企業に多いのが、
コミュニケーションをあまりとらず、
背中で語る経営者です。

とくに家族経営にありがちなのが、
家族であるがゆえに、
言葉で伝えるべきことを伝えていないということです。

後継者が知りたいと思っている情報が、
先代から伝わっていないのです。

先代は先代で、伝えているはずなのに、
なんで伝わっていないのかがわからない、
なんで理解してくれないのかがわからない、
と思っていたりします。

それでいつまでも安心できず、完全に任せることができない、
といったことさえあります。

ゼロから起業するのではなく、
すでにできあがっているものを引き継ぐわけですから、
そのあと仮に後継者が改革を考えるにしろ、
先代の会社に対する思いや価値観、考え方、ノウハウなどは
一度理解できたほうが、承継もスムーズにいくのではないでしょうか。

実際に、知りたいと思っている後継者が多いのも事実です。

ただ、そのやりかたが見つけられていないことがあるように思います。

【不安を解消】事業承継をスムーズにするツール

先代と後継者との意思疎通の方法には、
いくつかあるかもしれませんが、
ひとつ有効なツールがあるのでご紹介しますね。

それは、
『事業計画書』です。

似たような言葉に、『経営計画書』などがありますが、
いまは言葉の意味や違いはあまり考えなくて大丈夫です。

あなたにお伝えしたい大事なところはそこではないので。

ここでは、

『事業の詳細や現経営者の考え、価値観などがよくわかる資料』

くらいに思っていただければ問題ないです。

経営に関することを、
いくつかの項目にわけて整理して1冊にまとめたもの、
といった感じですね。

完全に統一されたフォーマットがあるわけではないですし、
作成するひとによって項目や中身は変わってくると思います。

他のページ(事業計画書の作成サポート)でも紹介していますが、
参考までに私たちがお客様に作成している計画書の項目を紹介しますね。

計画書の項目例

  • 経営理念・ビジョン
  • 事業概要
  • 経験・経歴・実績
  • ターゲット・市場ニーズ
  • 商品・サービスの概要
  • ビジネスを進める上での強みと弱み
  • 競合分析
  • マーケティング計画
  • 数値計画

各項目について細かいことは気にしなくて大丈夫ですよ。

こうした経営に関することについて、
社長の考えを整理しながら作るのが、
ここで言ってる事業計画書なんだなぁ、
って思っていただければと思います。

お伝えしたい大事なことは、

計画書には社長の情報がたくさんつまっている

ということです。

つまり、

先代が作ったこの計画書を見れば、
後継者であるあなたが知りたい情報を知ることができる

ことになります。

さらに、もっと重要なことがあります。

多くの経営者は、
自分ひとりでゼロから作るというよりは、
税理士などの専門家に
作成サポートを依頼することが多いと思いますが、

作成するときには、
後継者であるあなたも同席したほうがいい

ということです。

理由は簡単です。

計画書ができあがるまでの
先代の考えの過程を知ることができるからです。

計画書の作成サポートをするときは、
丁寧に長い時間をかけて、
社長にヒアリングを行います。

そのやりとりのなかから、
社長の本音や大切にしている考えなどを
知ることができます。

もちろん、
作成サポートを行う専門家が
社長の本音を引き出すことができれば
という前提にはなりますが。

できあがった計画書だけを単に見るよりも、

どうして先代はそう思ったのか、という過程

を知るほうが、
あなたの知りたい情報には近いのではないでしょうか。

できあがった結果だけをみても、
なかなか共感できず、しっくりこなかったりするものです。

経営に関与せず現場経験しかない後継者にとっては、
今までわからなかった経営の流れもわかったりします。

普段、先代には直接聞きづらいことが、
事業計画書の作成という機会をとおして聞くことができるんです。

これは後継者だけにメリットがある話ではありません。

先代の経営者にとっても、
考えやノウハウを共有できる機会になる
ので、

事業承継の準備としては、
とても重要なことになると思います。

実際に作るとなったときには、
上で参考としてあげた項目とまったく同じでなくてもいいですし、
事業計画書ではなく経営計画書という言葉のものでもいいです。

上でも書きましたが、
ここでお伝えしたい大事なことはそんなことではないですし、
サポートしてくれるところによっていろんな計画書があるでしょうから。

大事なことは、

  • 作成してくれる計画書にあなたが知りたい
    先代の考えやノウハウが入っていること
  • そして、作るときに後継者であるあなたも同席して、
    過程をしっかりと聞くこと

この2つです。

もしも作成してくれるところが見つからず、
「作成サポートをしてほしい!」
という場合は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいね。

ちなみに、ここでは詳しく説明はしませんが、
事業計画書を作ると、融資のさいに借りやすくなったり、
さまざまなメリットがありますよ!

気になるかたは、👉こちらをご覧ください。